遺産分割協議について

相続が発生した場合には、その死亡と同時に、被相続人(故人)の
財産は何の手続きもなしに相続人に移転します。
この時、「相続人が数人あるときは、相続財産は、その共有に属する」との民法の規定により、遺産の共同所有関係が生じます。
そこで、この共同相続人の共同所有している状態となった個々の相続財産を それぞれの相続人に何をどう分けるかを相続人の間で確定する為の手続きが 遺産分割協議です。

遺産分割協議書とは?

遺産分割協議書とはその名のとおり、遺産分割協議の内容を書面にしたものです。
相続人の誰がどの財産を相続するかを相続人全員が合意している事が記載されていれば良く、特に決まった書式はありませんが、不動産の所有権移転登記、銀行等の預貯金の名義変更、自動車の名義変更、相続税の申告等で添付書類として必要となりますので、内容が不明確にならないよう注意が必要です。

遺産分割手続きの期限はあるか?

遺産分割の時期については特に制限はありません。
ただし、相続税に関する「配偶者の法定相続分まで非課税」や「小規模宅地等」の特例を利用する場合には相続税の申告期限(相続発生から10カ月)までに遺産分割協議が成立している事が必要になります。

遺産分割協議の際の注意点は?

遺産分割協議にあたっては、相続人全員が合意する事が必要になります。相続人の中に未成年者や成年後見制度による後見を受けている者がいる場合には、その本人の代理人に分割協議に参加して貰わなければなりません。
相続人全員が合意していない分割協議は無効となる恐れがありますので、相続人の資格のある者を除外して協議を進める事が無いよう、被相続人が子供を作ることができる年齢(大体15歳が目途)までの戸籍謄本を取り寄せ、万が一にも他に相続人となる者がいないかを確認する事が大事です。
また、相続にあたっては、胎児も相続人としてみなされる事になっていますので注意が必要です。

遺産分割協議書作成時の注意点は?

遺産分割協議書を作る際に注意すべきことは以下のとおりです。

  1. 誰がどの財産を取得するか明確にする
  2. 不動産の記載は住居表示のみではなく登記上の所在地番・家屋番号を明確にする
  3. 相続人の住所・氏名の記載は住民票や印鑑証明に記載されている通りに記載する
  4. 捺印は実印でする
  5. 分割協議書が複数枚になる場合には、各用紙の間に契印をする

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