遺産分割のご相談

遺産分割とは,被相続人が死亡時に有していた財産(遺産)について,個々の相続財産の権利者を確定させる手続をいいます。

 

遺産分割の対象

遺産分割の対象となる遺産は,①相続開始に存在し,かつ②分割時にも存在する③未分割の財産です。

遺産分割の手順

①相続人を確定する,②相続分を確定する,③遺産の範囲を確定する,④遺産を評価する,⑤特別受益者と特別受益の額を確定する,⑥寄与相続人と寄与分を確定する,⑦特別受益及び寄与分を踏まえて,相続開始時の具体的な相続分率を算出する,⑧具体的相続分率を遺産分割時における遺産分割取得分額に引き直す,⑨遺産分割方法を決定するといった手順となります。

遺産分割の方法

遺産分割の方法には,①遺言による分割,②協議による分割,③調停による分割,④審判による分割の4種類の方法があります。

① 遺言による分割

遺言には,普通方式の遺言(3種類)と特別方式の遺言(4種類)があります。
普通方式の遺言には,自筆証書遺言,公正証書遺言,秘密証書遺言があります。
特別方式の遺言には,死亡応急者遺言,伝染病隔離者遺言,在船者遺言,船舶遭難者遺言があります。もっとも,特別方式の遺言はあまり見かけません。
普通方式の3種類の遺言のメリット・デメリットについては,下記の表を参考にしてください。

自筆証書遺言 公正証書遺言 秘密証書遺言
証人 不要 2人必要 2人必要
保管 本人、推定相続人、遺言執行者、受遺者、友人など 原本は公証役場、正本と謄本(写し)は本人、推定相続人、遺言執行者、受遺者など 本人、推定相続人、遺言執行者、受遺者、友人など
秘密性 遺言の存在、内容共に秘密にできる 遺言の存在、内容共に秘密にできない。証人から内容が漏れる可能性がある 遺言の存在は秘密にできないが、遺言の内容は秘密にできる。
検認 必要 不要 必要
特に有利な点 費用がほとんど掛からない。証人が必要でなく、いつでもどこでも簡単に書ける。新たに作り直すことも容易にできる。 家庭裁判所での検認が必要ない。公証人が作成するので、無効な遺言書となる事が少ない。紛失しても謄本を再発行してもらえる。 公証役場に提出するので、作成日が特定できる。費用があまりかからない。
特に不利な点 紛失、変造、隠匿遺言の要件を満たしていないと無効な遺言となる可能性がある。 費用が余分に掛かる。 紛失、変造、隠匿等の可能性がある。遺言の要件を満たしていないと無効な遺言となる可能性がある。

② 協議による分割

協議による分割についても別に章を定めて詳しく説明しているので,そちらを参考にしてください。

③ 調停による分割・審判による分割

遺産の分割について共同相続人との間に協議が調わないときや,協議をすることができないときは,各共同相続人は家庭裁判所に遺産の分割を請求することができます。具体的には,管轄の家庭裁判所に遺産分割調停を申し立てることになります。遺産分割調停として申し立てる場合の管轄(土地管轄)は,相手方の住所地(相手方が複数いて住所地が異なる場合には,その全てに管轄が生じます),又は当事者が合意で定まる家庭裁判所になります。

調停手続では,当事者双方から事情を聴いたり,必要に応じて資料等を提出してもらったり,遺産について鑑定を行うなどして,調停委員が事情をよく把握したうえで,各当事者がそれぞれどのような分割方法を希望しているか意向を聴取し,解決案を提示したり,解決のために必要な助言をし,合意を目指し話合いが進められます。調停は裁判ではなく,あくまでも,当事者の話し合いによる円満解決をはかることを目的とするため,調停委員の分割案や指導に強制力はありません。したがって,1人でも分割案に合意しない者がいた場合には,調停は成立しません。

話合いがまとまらず調停が不成立になった場合には自動的に審判手続が開始され,家事審判官(裁判官)が,遺産に属する物又は権利の種類及び性質,各相続人の年齢,職業,心身の状態及び生活の状況その他一切の事情を考慮して,審判をすることになります。

遺産分割のご相談

遺産分割とは,被相続人が死亡時に有していた財産(遺産)について,個々の相続財産の権利者を確定させる手続をいいます。

 

遺産分割の対象

遺産分割の対象となる遺産は,①相続開始に存在し,かつ②分割時にも存在する③未分割の財産です。

遺産分割の手順

①相続人を確定する,②相続分を確定する,③遺産の範囲を確定する,④遺産を評価する,⑤特別受益者と特別受益の額を確定する,⑥寄与相続人と寄与分を確定する,⑦特別受益及び寄与分を踏まえて,相続開始時の具体的な相続分率を算出する,⑧具体的相続分率を遺産分割時における遺産分割取得分額に引き直す,⑨遺産分割方法を決定するといった手順となります。

遺産分割の方法

遺産分割の方法には,①遺言による分割,②協議による分割,③調停による分割,④審判による分割の4種類の方法があります。

① 遺言による分割

遺言には,普通方式の遺言(3種類)と特別方式の遺言(4種類)があります。
普通方式の遺言には,自筆証書遺言,公正証書遺言,秘密証書遺言があります。
特別方式の遺言には,死亡応急者遺言,伝染病隔離者遺言,在船者遺言,船舶遭難者遺言があります。もっとも,特別方式の遺言はあまり見かけません。
普通方式の3種類の遺言のメリット・デメリットについては,下記の表を参考にしてください。

自筆証書遺言 公正証書遺言 秘密証書遺言
証人 不要 2人必要 2人必要
保管 本人、推定相続人、遺言執行者、受遺者、友人など 原本は公証役場、正本と謄本(写し)は本人、推定相続人、遺言執行者、受遺者など 本人、推定相続人、遺言執行者、受遺者、友人など
秘密性 遺言の存在、内容共に秘密にできる 遺言の存在、内容共に秘密にできない。証人から内容が漏れる可能性がある 遺言の存在は秘密にできないが、遺言の内容は秘密にできる。
検認 必要 不要 必要
特に有利な点 費用がほとんど掛からない。証人が必要でなく、いつでもどこでも簡単に書ける。新たに作り直すことも容易にできる。 家庭裁判所での検認が必要ない。公証人が作成するので、無効な遺言書となる事が少ない。紛失しても謄本を再発行してもらえる。 公証役場に提出するので、作成日が特定できる。費用があまりかからない。
特に不利な点 紛失、変造、隠匿遺言の要件を満たしていないと無効な遺言となる可能性がある。 費用が余分に掛かる。 紛失、変造、隠匿等の可能性がある。遺言の要件を満たしていないと無効な遺言となる可能性がある。

② 協議による分割

協議による分割についても別に章を定めて詳しく説明しているので,そちらを参考にしてください。

③ 調停による分割・審判による分割

遺産の分割について共同相続人との間に協議が調わないときや,協議をすることができないときは,各共同相続人は家庭裁判所に遺産の分割を請求することができます。具体的には,管轄の家庭裁判所に遺産分割調停を申し立てることになります。遺産分割調停として申し立てる場合の管轄(土地管轄)は,相手方の住所地(相手方が複数いて住所地が異なる場合には,その全てに管轄が生じます),又は当事者が合意で定まる家庭裁判所になります。

調停手続では,当事者双方から事情を聴いたり,必要に応じて資料等を提出してもらったり,遺産について鑑定を行うなどして,調停委員が事情をよく把握したうえで,各当事者がそれぞれどのような分割方法を希望しているか意向を聴取し,解決案を提示したり,解決のために必要な助言をし,合意を目指し話合いが進められます。調停は裁判ではなく,あくまでも,当事者の話し合いによる円満解決をはかることを目的とするため,調停委員の分割案や指導に強制力はありません。したがって,1人でも分割案に合意しない者がいた場合には,調停は成立しません。

話合いがまとまらず調停が不成立になった場合には自動的に審判手続が開始され,家事審判官(裁判官)が,遺産に属する物又は権利の種類及び性質,各相続人の年齢,職業,心身の状態及び生活の状況その他一切の事情を考慮して,審判をすることになります。

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